選び方・比較

50人未満のストレスチェックを外部委託するには?説明書で確認する項目

依
依田尚人

著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表

8分
目次

50人未満の事業場でストレスチェックを外部委託するときは、依頼先の名前や料金だけで決めず、実施体制、実施方法、料金体系、面接指導、情報管理の五つを事前説明書で確認します。事業場内に残る案内、問い合わせ、申出窓口、記録の役割も同時に決めると、委託後の連絡を進めやすくなります。

厚生労働省の「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル(令和8年2月公表)」では、小規模事業場で外部機関を活用する考え方が示されています。外部委託は、事業場内の担当をなくすことではなく、実施者と事業場内の連絡担当が何を担うかを明確にする機会です。確認日:2026年9月21日。

事前説明の領域確認質問事業場内の担当記録する資料
実施体制実施者と実施事務の役割は何か連絡担当体制表
実施方法紙とWebの受検方法はどうなるか案内担当実施方法の説明
料金体系単位と含まれる条件は何か確認担当料金条件の説明
面接指導申出後の連絡と調整はどうするか申出窓口面接指導の案内
情報管理結果通知と保存の経路は何か保存担当情報管理の説明

小規模事業場で外部委託を検討する前に

事業場内と外部機関の役割を分ける

外部委託を検討する前に、事業場内で誰が対象者へ案内し、誰が外部機関と連絡し、誰が面接指導の申出先を案内するかを整理します。実施者、実施事務従事者、連絡担当、保存担当の役割が混ざると、受検者からの質問を適切な窓口へつなぎにくくなります。外部機関に依頼する業務と、事業場内に残る連絡業務を別の欄に書きます。

小規模事業場では、担当者が複数の役割を兼ねることがあります。その場合でも、受検案内を送る仕事と個人結果に関する事務を同じ作業として扱わないことが重要です。担当者が不在のときの連絡先、外部機関へ確認する事項、受検者へ案内する事項を役割表に残します。体制を先に決めると、説明書を受け取った後に必要な確認を分けやすくなります。

外部機関と連絡担当を分ける事業場の建物と窓口
外部機関と連絡担当を分ける事業場の建物と窓口

対象者の見込み人数、実施予定月、勤務場所の数も、説明を受ける前に整理します。人数を伝える目的は料金だけではなく、案内の方法、紙またはWebの受検方法、問い合わせ先、面接指導の日程調整を検討するためです。事業場の状況を一枚にまとめておくと、外部機関からの説明を聞く担当が変わっても、同じ前提で確認できます。

事前説明書で確認する5つの領域

実施体制と実施方法を確認する

実施体制では、実施者が誰か、実施事務従事者がどの業務を担うか、事業場内の連絡担当が何を案内するかを確認します。実施方法では、紙の調査票またはWeb受検画面の案内、受検期間、問い合わせ先、未受検者への再案内の方法を確認します。説明書に書かれた内容と、事業場内で決める担当を対応させます。

事業場内の連絡担当は、受検方法の質問を受け、必要に応じて外部機関へつなぐ役割です。個人結果の内容を聞き取る役割にせず、受検者が相談先を見つけられる案内を整えます。紙とWebのどちらを使う場合でも、対象者へ届く案内、問い合わせ先、結果通知の方法が一致しているかを確認します。

調査票とWeb受検画面で実施方法を確認する実施体制ファイル
調査票とWeb受検画面で実施方法を確認する実施体制ファイル

料金体系と面接指導を確認する

料金体系を確認するときは、対象人数、料金の単位、含まれる作業、別に確認する条件をそろえます。外部委託の説明では、受検方法、実施者の体制、結果通知、保存、面接指導に関する条件がどのように扱われるかを確認します。金額だけを切り出すと、同じ条件で比べられているかを判断しにくくなります。

面接指導については、高ストレス者で医師等が必要と認めた人から申出があった場合の流れを確認します。申出先、外部機関への連絡、日程調整、面接後の記録を、受検案内とは別の手順として整理します。担当者は、面接の内容を確認するのではなく、本人が申出できる窓口と連絡の流れを案内できるようにします。

面接指導の料金条件を確認する説明書と面談
面接指導の料金条件を確認する説明書と面談

説明書を確認した後は、どの条件が実施時期や人数で変わるかを記録します。追加の作業が必要になり得る場面、問い合わせ先、確認する日を一覧にすると、見積りを受け取った後に担当者が迷いにくくなります。料金の比較は、同じ対象人数、同じ実施方法、同じ範囲を確認してから行い、事業場内の決裁者へ条件を共有します。

情報管理を確認する

結果通知と保存の経路を確認する

結果は本人へ通知され、本人の同意なく事業者へ提供してはならないとされています。外部委託の説明では、結果通知を誰が行うか、同意を得る場合の手続は何か、事業場内で受け取る情報は何かを確認します。受検案内を担当する人と、個人結果に関する事務を担う人を分け、問い合わせを適切な窓口へつなぐ流れを決めます。

保存については、面接指導結果の記録と、本人同意を得て事業者が受領した検査結果の記録を分けて確認します。いずれも5年間保存する規定がありますが、根拠条文と記録が作成される場面は異なります。外部機関が担う保存の事務と、事業場内で確認する保存先を整理し、担当変更時の引継ぎ方法も説明書で確認します。

個人結果の保存経路を確認する通知封筒と施錠付き書庫
個人結果の保存経路を確認する通知封筒と施錠付き書庫

説明内容を比較可能な形で残す

説明を受けた内容は、実施体制、実施方法、料金体系、面接指導、情報管理の五つに分けて記録します。同じ確認表を使えば、複数の説明を受ける場合でも、聞いた項目に漏れがないかを確認できます。特定の依頼先を順位付けするためではなく、事業場に必要な役割と条件を整理するための表です。

記録には、説明を受けた日、資料名、回答を確認した担当、追加で確認する事項を残します。受検者向けの案内に反映する内容と、事業場内の決裁で確認する内容を分けておくと、説明書をそのまま案内文として使うことを避けられます。実施開始後に変更が出た場合も、どの領域の条件が変わったかを確認しやすくなります。

確認表には、回答が得られた項目だけでなく、実施前に決める項目も記します。たとえば、案内文を配る日、受検期間の開始日と終了日、紙の調査票を渡す担当、Web受検で困った人の問い合わせ先、未受検者へ再案内する担当を分けます。外部機関の説明に含まれる内容と、事業場の運用として決める内容を同じ欄に混在させないことで、準備の担当と確認の担当を分けて進められます。

面接指導の申出があった後の連絡も、あらかじめ表へ加えます。本人からの申出を受ける窓口、日程を調整する人、外部機関へ伝える連絡先、面接後に保存先を確認する人を並べると、担当者が休んだ場合にも連絡を引き継げます。個人結果や面接内容を共有する表ではなく、連絡経路と役割を確認する表にすることが大切です。

説明書と確認表を年度ごとに見直す日も決めます。人員数、勤務場所、受検方法、外部機関の連絡先が変われば、前年の案内をそのまま使わず、変更点を確認します。見直しの結果は、衛生管理を担当する人や事業場の責任者へ共有し、受検者に渡す案内と事業場内の連絡表に反映します。これにより、外部委託の条件と日常の運用を結び付けて確認できます。

確認表を完成させたら、実施開始前に担当者同士で読み合わせます。質問が出た項目は、説明書の該当箇所と確認日を残して外部機関へ確認し、回答後に案内文と連絡表の両方を更新します。受検者が迷わず行動できる案内になっているかを確認する時間を確保します。

五つの確認領域を記録する説明書ファイルと確認表
五つの確認領域を記録する説明書ファイルと確認表

まとめ

50人未満の事業場で外部委託を検討するときは、実施体制、実施方法、料金体系、面接指導、情報管理を同じ確認表で整理します。外部機関に任せる業務と、事業場内に残る連絡業務を分け、説明を受けた内容を役割表と年間予定へ反映することが重要です。

外部委託の確認項目、実施体制の整理、地域産業保健センターの利用、ストレスチェックの費用構造も参照してください。

よくある質問

Q. 外部委託すると事業場は何もしなくてよいですか
外部委託しても、対象者への案内、受検期間の周知、問い合わせの振り分け、面接指導の申出先の案内など、事業場内で確認する役割があります。実施者や外部機関が担う業務と、連絡担当や保存担当が担う業務を説明書で分けて確認します。
Q. 料金は何を同じ条件で確認しますか
対象人数、料金の単位、実施方法、実施者の体制、結果通知、保存、面接指導に関する条件を同じ順で確認します。金額だけで比較せず、どの作業が含まれるか、追加で確認する条件があるかを説明書に残し、事業場内の担当と共有します。
Q. 個人結果は事業場で管理しますか
個人結果は本人への通知と事業者への提供を分けて確認します。本人の同意を得て事業者が受領する場合と、それ以外の場合では記録の経路が異なります。外部機関と事業場の説明書で、結果通知、同意、保存、問い合わせ先の役割を確認します。

出典

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