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ストレスチェック面接指導の申出から実施まで:担当者の確認手順

依
依田尚人

著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表

8分
目次

ストレスチェック後の面接指導は、高ストレス者で医師等が必要と認めた人から申出があった場合に始まります。担当者は、結果の事業者への提供に関する本人同意と混同せず、申出を受ける窓口、医師との日程調整、実施後の記録を順に確認することが大切です。

面接指導は、受検期間の終わりに追加する作業ではありません。結果通知の案内を作る段階から、申出先、連絡方法、担当者の役割、記録の保存先を年間予定に置くと、希望者が出たときに急な判断を減らせます。以下は、厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル(令和8年2月公表)」と関係法令を2026年9月21日に確認して整理した流れです。

段階起点となる情報主な担当保存・確認事項
結果通知高ストレス者の判定実施者本人への通知方法
申出受付本人からの申出申出窓口連絡先と受付方法
面接調整実施日の調整医師と連絡担当日程と引継ぎ先
実施後面接指導の結果事業者記録と就業上の措置の検討

面接指導は申出から始まる

対象の判断と結果通知を確認する

面接指導の対象となるのは、高ストレス者で医師等が面接指導を必要と認めた人です。結果が出たすべての人に同じ面接を行うのではなく、必要性の判断と本人からの申出を確認して進めます。担当者は、誰が対象かを社内で判断するのではなく、結果通知の案内に申出先と連絡方法を示します。

結果は遅滞なく本人へ通知することとされています。通知の案内では、結果を受け取る方法、面接指導を希望する場合の申出先、問い合わせ先を分けます。申出を受ける連絡担当が結果の詳細を聞き取らないよう、相談内容に応じて実施者や医師へつなぐ役割を決めます。本人が必要なときに申出できる経路を保つことが、面接指導の準備になります。

高ストレス者への結果通知と面接指導の申出先
高ストレス者への結果通知と面接指導の申出先

申出窓口を決める際は、連絡方法だけでなく、担当者が不在の場合の引継ぎ先も確認します。受検案内の問い合わせと面接指導の申出を同じ窓口にする場合も、担当者が扱う情報の範囲を分けます。申出を受けた人が日程調整だけを担い、医師による面接の内容に踏み込まない設計にすると、本人への案内と担当者の役割を整理しやすくなります。

結果通知の案内を作るときは、申出が必要な場面、申出先、連絡できる時間帯を同じ場所に示します。案内が複数の紙面や画面に分かれる場合は、どの案内にも同じ窓口を載せます。担当者は、申出の有無を確認するために結果内容を聞くのではなく、連絡を受けた後の次の担当へ確実につなぐことに集中します。

担当者が準備する流れ

申出を受ける窓口と情報範囲を決める

申出窓口は、本人が連絡しやすく、担当者が必要な連絡だけを受け取れる場所にします。メール、電話、社内の連絡フォームなど、事業場で使う方法を決め、結果通知の案内に同じ表記で載せます。窓口担当者は、申出の受領、連絡先の確認、医師との日程調整に必要な情報を扱い、個人結果の内容を求める役割にはしません。

受付後の流れを一枚にすると、担当者が変わっても対応をそろえられます。申出を受けた日、引継ぎ先、連絡を返す担当、日程が決まった後の案内を記録し、本人へ伝える内容を確認します。連絡先を一つに集める場合でも、受付した人が一人で判断しないよう、実施者や医師への連絡経路を明示しておきます。

事業場内の連絡表には、申出を受けた後に誰へ連絡するか、本人へ何を知らせるか、予定変更があった場合に誰が対応するかを記します。表に個人の結果内容を書き込むのではなく、連絡の進行を確認するための項目だけを置きます。役割が明確なら、担当者が休暇中でも申出への対応が止まりにくくなります。

申出受付の連絡先を決める衛生管理者のデスクと受付ファイル
申出受付の連絡先を決める衛生管理者のデスクと受付ファイル

医師による面接と意見聴取をつなぐ

面接指導は医師が行います。連絡担当は、本人が面接を受ける日時や場所を知るための案内、医師との調整、必要な記録の準備を担います。面接の内容を連絡担当が確認するのではなく、医師による面接と、その後に事業者が検討する流れを切り分けます。

面接指導の後、事業者は医師から意見を聴き、就業上の措置を検討します。担当者は、面接の予約と、意見聴取後の社内連絡を同じ予定表で管理しながら、個別の内容を広く共有しないようにします。医師との連絡方法、意見を受け取る担当、必要な社内調整の順番を事前に決めると、希望者が出たときの対応を進めやすくなります。

医師の意見を聴く面接指導と就業上の措置の確認
医師の意見を聴く面接指導と就業上の措置の確認

面接日が決まった後は、本人へ日時、場所または接続方法、連絡先を案内します。都合が変わった場合の連絡先も示し、欠席時の扱いを担当者間で確認します。複数の拠点がある事業場では、医師との面接を行う場所と、各拠点の連絡担当を結び付ける必要があります。予定表に拠点名と連絡担当を記すことで、調整の漏れを見つけやすくなります。

面接当日に備え、連絡担当は受付方法や待機場所など、本人が迷わないための案内を確認します。医師が面接を行う場面と、事業場内の連絡担当が待機する場面を分けることで、必要のない人が面接に同席することを避けられます。オンラインの方法を使う場合も、接続の案内と問い合わせ先を事前に知らせ、本人が落ち着いて参加できるようにします。

実施後に残すこと

就業上の措置を検討する流れを整理する

面接指導の後は、事業者が医師から意見を聴き、就業上の措置を検討します。担当者は、面接指導そのものと、意見を受けて社内で検討する場面を分けます。医師から受けた意見を扱う人、衛生委員会などで検討する場面、必要な連絡をする人を整理し、個人結果を必要のない担当へ広げないようにします。

制度上の流れを予定表に落とすときは、面接実施日だけでなく、意見を受け取る日、社内で検討する日、本人への連絡を確認する日を置きます。担当者が一人で結論を出す形にせず、役割に応じて連携します。面接指導を申し出たことを理由とする不利益な取扱いは禁止されているため、申出の連絡と人事上の判断を結び付けないことも重要です。

就業上の措置を検討する衛生委員会の会議テーブル
就業上の措置を検討する衛生委員会の会議テーブル

記録保存と次回への振り返りを行う

面接指導の結果に基づく記録は、労働安全衛生規則第52条の18第1項により5年間保存します。保存先、閲覧範囲、担当変更時の引継ぎを決め、申出受付の連絡記録と面接指導結果の記録を混同しないようにします。施錠された書庫やアクセス権限を設定した電子保管先など、事業場で決めた方法に沿って管理します。

実施後の振り返りでは、面接内容を評価するのではなく、申出窓口の案内、日程調整、連絡の引継ぎ、記録の保存が予定どおりにできたかを確認します。問い合わせが集中した時期や、担当者間で迷った連絡を整理し、次回の結果通知の案内に反映します。年間予定に振り返りの日を入れておくと、実施後の学びを次回の準備へつなげやすくなります。

振り返りでは、申出を受けてから面接日を案内するまでの連絡の流れ、保存先の確認、担当者の交代時に必要だった情報を見直します。改善点は、次回の案内文、担当者向けの連絡表、年間予定のいずれに反映するかを決めます。実施のたびに手順を作り直さず、前回の確認事項を引き継ぐことで、担当者と受検者の双方にとって分かりやすい運用を保てます。

面接指導結果を5年間保存する施錠付き書庫と年間予定表
面接指導結果を5年間保存する施錠付き書庫と年間予定表

まとめ

面接指導は、結果通知後の本人の申出から始まります。申出窓口、医師との調整、意見聴取、記録保存を年間予定に置き、連絡担当と個人情報を扱う役割を分けます。面接指導後の記録は5年間保存するため、実施前から保存先と引継ぎ方法を決めておくことが重要です。

面接指導にかかる費用、地域産業保健センターの利用、結果の本人同意、ストレスチェックの実施体制も確認してください。

よくある質問

Q. 面接指導は会社が一方的に実施できますか
ストレスチェックの面接指導は、高ストレス者で医師等が必要と認めた人からの申出が起点です。会社が一方的に実施する手続ではありません。結果通知の案内に申出先と連絡方法を示し、希望する人が連絡できる経路を整えます。
Q. 申出があればすぐに実施する必要がありますか
高ストレス者で医師等が必要と認めた人から申出があった場合、労働安全衛生規則第52条の16第2項は遅滞なく面接指導を行うことと定めています。担当者は申出を受けた後に連絡を止めず、医師との日程調整、本人への案内、引継ぎ先を確認して進めます。
Q. 面接指導の内容は誰が確認しますか
面接指導は医師が行い、事業者は医師から意見を聴いて就業上の措置を検討します。連絡担当は申出受付や日程調整を担い、面接の内容を広く共有する役割にはしません。担当者ごとの情報範囲を分け、必要な記録は定めた保存先で管理します。

出典

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