ストレスチェックの57項目・23項目はどう選ぶ?確認したい違い
著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表
目次
ストレスチェックの調査票は、項目数だけで決めず、仕事のストレス要因、心身の自覚症状、周囲のサポートという制度上の3領域を確認して選びます。国が示す57項目版と23項目版を使う場合でも、受検方法、結果通知、高ストレス者や面接対象者の選定方法を外部機関へ確認し、事業場の体制に合う運用を決めることが大切です。
項目が多い方、少ない方という優劣ではなく、調査票の説明と実施後の流れを同じ条件で確認します。厚生労働省の小規模事業場向け資料では、国が示す57項目版または23項目版が基本とされ、それ以外を用いる場合は科学的な根拠が示されているかを確認するとされています。確認日:2026年9月21日。
| 確認項目 | 57項目版 | 23項目版 | 事前に確認すること |
|---|---|---|---|
| 調査票 | 国が示す調査票の一つ | 国が示す調査票の一つ | 3領域が含まれること |
| 受検方法 | 紙またはWebなどの運用を確認 | 紙またはWebなどの運用を確認 | 案内と回収の担当 |
| 結果通知 | 本人への通知方法を確認 | 本人への通知方法を確認 | 相談先と申出先 |
| 選定方法 | 説明を受ける | 説明を受ける | 高ストレス者と面接対象者の考え方 |
項目数より先に確認する制度上の3領域
調査票に必要な領域を整理する
労働安全衛生規則第52条の9は、ストレスチェックで把握する事項として、仕事のストレス要因、心身の自覚症状、周囲のサポートの三つを定めています。調査票を選ぶ際は、項目数の見た目ではなく、この三領域をどのように扱うかを確認します。受検者へ案内する前に、調査票の名称、受検方法、問い合わせ先をそろえます。
57項目版と23項目版は、いずれも国が示す調査票です。担当者は、項目数から結果の良し悪しを判断するのではなく、実施者または外部機関から、調査票の構成と結果通知の流れを説明してもらいます。事業場内では、受検期間、紙またはWebの案内、質問を受ける窓口を決め、受検者が同じ説明を確認できるようにします。

調査票を配布する担当と、結果の内容を扱う担当も分けます。紙の調査票を使う場合は配布と回収の経路を、Web受検画面を使う場合は案内と問い合わせ先を確認します。調査票の形式を変えるときは、受検者向けの案内、実施者との連絡、保存する記録の担当を同時に見直すと、運用の変更を伝えやすくなります。
受検者向けの案内では、調査票の項目数を説明の中心にするより、受検期間、受検方法、質問がある場合の連絡先を明確にします。実施者や外部機関から受けた説明を、事業場内の連絡担当が分かりやすい案内へ反映します。案内を出す前に、紙とWebのどちらを使う人にも同じ相談先が伝わるかを確認すると、受検開始後の質問を受けやすくなります。
57項目版と23項目版を確認する方法
調査票の説明で確認する項目を並べる
外部機関または実施者へ確認する項目は、調査票だけに限りません。受検方法、対象者への案内、受検期間、結果通知、問い合わせ先、面接指導の申出先、集団分析の扱いまでを一覧にします。57項目版と23項目版を比べるときも、同じ一覧を使い、項目数以外の運用条件をそろえて確認します。
説明書には、実施者が誰か、実施事務従事者がどの業務を担うか、事業場内の連絡担当が何を案内するかを記します。調査票の選択を担当者一人の印象で決めず、受検者への案内や結果通知に必要な準備を確認します。委託先と打合せをする場合は、質問の回答を残し、担当変更後も同じ条件を確認できるようにします。
確認表を作るときは、57項目版と23項目版の欄に同じ質問を置きます。受検画面の使い方、紙の回収方法、結果通知の方法、申出窓口、問い合わせ先を同じ順に並べると、項目数以外の条件を比較できます。説明を受けた内容と事業場内で決めた内容を分けて記録すれば、後から担当者が変わっても、なぜその運用を選んだかを共有しやすくなります。

高ストレス者・面接対象の選定方法を確認する
ストレスチェックでは、高ストレス者で医師等が面接指導を必要と認めた人が、面接指導の対象となります。面接指導は本人の申出が起点であり、調査票の項目数だけで面接の実施を決めるものではありません。実施者または外部機関から、高ストレス者の選定と面接指導の案内方法を確認します。
担当者は、選定の方法を理解するために、結果通知、申出窓口、医師との日程調整の流れを確認します。個人結果を事業場内で判定する運用にせず、連絡担当は申出の案内と日程調整を担い、面接の必要性に関する判断は実施者や医師の役割として分けます。調査票を変える場合も、申出先の案内が変わらないかを確認します。
面接指導の案内は、結果を受け取った本人が必要なときに申出できるようにするものです。調査票の方式を決める打合せの段階で、申出先を誰が案内するか、連絡を受けた後に誰へつなぐかを確認します。連絡担当が高ストレス者の判定を行う形にせず、実施者や医師の役割と日程調整の役割を分けることが、受検者への説明をそろえることにつながります。

委託先との確認表を作る
結果通知と集計の方法を確認する
結果は本人へ遅滞なく通知されます。調査票を選ぶ打合せでは、結果通知が紙、Web画面、封をした通知のどの方法になるか、受検者からの質問をどこへつなぐかを確認します。本人同意を得て事業者へ結果を提供する場合の手続と、受検案内を送る担当も別に整理します。
集団ごとの集計や分析を行う場合は、個人結果の通知と同じ資料として扱わず、部署や職場の傾向を検討するための情報として役割を分けます。集団分析は努力義務であり、結果を共有する会議の担当、改善を検討する担当、個人結果を扱う担当を区別します。調査票の項目数だけでなく、実施後にどの情報を誰が扱うかを確認します。

科学的根拠の説明を受ける場面を整理する
国が示す57項目版または23項目版以外の調査票を検討する場合は、科学的な根拠が示されているかを確認します。確認するのは、項目数を増やすか減らすかではなく、制度で求められる三領域を扱い、実施後の選定や結果通知の方法を説明できるかです。根拠の説明を受けた日、資料名、確認した担当を残します。
事業場では、調査票の比較表に順位やおすすめの列を置かず、確認事項を同じ順で並べます。実施者の体制、受検方法、結果通知、面接指導、集団分析、情報管理を並べると、どの質問を外部機関へ確認するかが分かります。翌年に調査票や委託先を見直す場合も、前回と同じ確認表を使うことで、変更点を説明しやすくなります。
見直しの際には、前回の受検期間に問い合わせが集中した場面、案内が届きにくかった勤務場所、紙とWebの連絡方法の違いを振り返ります。個人の回答内容を集めるのではなく、制度の案内や連絡経路で改善できる点を確認します。調査票の選択と実施体制を毎年同じ表で確認することで、変更する事項と継続する事項を分けて管理できます。

まとめ
57項目版と23項目版は、項目数の優劣で選ぶものではありません。制度上の三領域を確認し、実施者の体制、受検方法、結果通知、面接指導、集団分析を同じ条件で確認します。外部機関へ質問する項目を一覧にしておくと、調査票の選択と実施後の運用を結び付けやすくなります。
ストレスチェック実施プログラム、外部委託の確認項目、実施体制の整理、集団分析の考え方も参照してください。
よくある質問
- Q. 23項目版を選んでも制度に対応できますか
- 23項目版は、国が示す調査票の一つです。選択する際は、仕事のストレス要因、心身の自覚症状、周囲のサポートの三領域を確認し、受検方法、結果通知、高ストレス者と面接対象者の選定方法を実施者または外部機関へ確認します。
- Q. 項目数が多い方がよいですか
- 項目数だけで優劣を決めるものではありません。57項目版と23項目版のどちらでも、制度上の三領域、受検者への案内、結果通知、面接指導の申出先、集団分析の扱いを同じ確認表で整理し、事業場の体制に合う運用を決めます。
- Q. 調査票は毎年変更できますか
- 変更を検討する場合は、調査票の説明だけでなく、実施者の体制、受検案内、結果通知、面接指導の申出先、記録の保存を確認します。前年と異なる調査票を使うときは、受検者向けの案内と担当者向けの役割表を見直し、変更した点を事前に共有します。
出典
本記事の出典は に内容を確認しています。
- 1.労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)(laws.e-gov.go.jp)
- 2.小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル(mhlw.go.jp)