選び方・比較

ストレスチェック報告書の書き方:電子申請の10項目と確認手順

依
依田尚人

著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表

9分
目次

ストレスチェックの労基署報告は、常時50人以上の事業場が、10項目を確認して電子情報処理組織により行うことが原則です。2025年1月1日から電子申請が原則義務化されていますが、当分の間は経過措置により書面での報告も可能です。

報告が必要か、何を記載するか、どの方法で提出するかを順番に分けて確認すると、制度上の要件を混同しにくくなります。この記事は、労働安全衛生規則第52条の21、関連する経過措置、厚生労働省の公式資料を2026年9月6日に確認して整理した一般的な手順です。

報告書を作る前に対象を確認する

報告書の準備は、まず労基署報告の対象となる事業場かを確認するところから始めます。ストレスチェックを実施することと、結果を報告することは別の要件であり、報告対象は常時使用する労働者の人数で判断します。

確認する事項労基署報告の扱い
常時50人以上の労働者を使用する事業場年1回の定期報告が必要
50人未満の事業場実施結果の報告は不要
報告の人数受検対象者数ではなく常態として使用する人数で確認
労基署報告の対象となる事業場を確認する図
労基署報告の対象となる事業場を確認する図

報告が必要な事業場の早見表

労働安全衛生規則第52条の21は、常時50人以上の労働者を使用する事業者に、検査及び面接指導の結果等を所轄労働基準監督署長へ報告することを求めています。50人未満の事業場には、この結果報告は求められていません。[出典:労働安全衛生規則第52条の21、厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」p.6、確認日:2026年9月6日]

ここでいう50人は、ストレスチェックの受検対象者の人数だけで判断しません。短時間勤務のパートやアルバイト、派遣先で常態として使用している派遣労働者も含め、常態として使用しているかを事業場ごとに確認します。[出典:厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」p.6、確認日:2026年9月5日]

対象期間と検査実施年月を整理する

労働安全衛生規則第52条の21は、1年以内ごとに1回、定期に報告することを定めています。報告の対象となる期間と検査の実施年月は10項目の一つなので、受検の実施記録と照合できる状態にしてから報告事項をまとめます。[出典:労働安全衛生規則第52条の21、確認日:2026年9月6日]

報告要否の人数確認、対象期間、検査実施年月を別々に確認すると、受検者数だけを見て報告対象を決める誤りを防ぎやすくなります。個別の提出期限や入力内容の判断が必要な場合は、所轄労働基準監督署などの公式案内を確認してください。

対象期間と検査実施年月を整理する図
対象期間と検査実施年月を整理する図

報告する10項目を確認する

労働安全衛生規則第52条の21は、結果報告について10項目を掲げています。実際の入力や提出に進む前に、事業場情報、受検状況、実施体制、面接指導、集団分析の情報がそろっているかを確認します。

事業場情報と常時使用する労働者数

最初に確認するのは、労働保険番号、事業の種類、事業場の名称・所在地・電話番号、常時使用する労働者数です。これらに加え、報告の対象となる期間と検査の実施年月も規則第52条の21に掲げられています。所在地と人数の基準が一致しているかを確認します。[出典:労働安全衛生規則第52条の21、確認日:2026年9月6日]

事業場が複数ある場合は、会社全体の情報を一つにまとめる前に、所在地ごとの報告要否を確認します。事業場情報と人数を同じ単位で整理することが、報告対象の確認につながります。

受検者数と面接指導の実施状況

次に、検査を受けた労働者の数、面接指導を受けた労働者の数、検査を実施した者の区分、面接指導を実施した医師の区分を確認します。検査を実施した者の区分は、事業者が選任した産業医、事業場に所属する医師等、検査を委託した者のいずれかを記載する項目です。[出典:労働安全衛生規則第52条の21、確認日:2026年9月6日]

面接指導は、高ストレス者で医師等が必要と認めた人が申出をした場合に実施されます。結果の個人情報を報告のために広く共有するのではなく、報告に必要な項目を確認できる役割分担を保ちます。[出典:労働安全衛生法第66条の10第2項・第3項、労働安全衛生規則第52条の15・第52条の16、確認日:2026年9月6日]

実施者・面接指導医・集団分析の記載

残る項目は、検査結果についての集団ごとの分析の実施の有無、産業医の氏名と所属機関の名称・所在地、報告年月日と事業者の職氏名です。10項目を順に確認すると、検査の実施、面接指導、集団分析、産業医情報を取り違えにくくなります。[出典:労働安全衛生規則第52条の21、確認日:2026年9月6日]

区分規則第52条の21で確認する主な事項
事業場・期間労働保険番号、事業場情報、人数、対象期間、実施年月
検査・面接受検者数、面接指導を受けた人数、実施者等の区分
分析・産業医・報告日集団分析の有無、産業医情報、報告年月日、事業者の職氏名

項目を確認することは、記入済みの様式を当サイトが作成することを意味しません。事業者は公式の手続案内と自事業場の記録を照合し、必要に応じて所管窓口へ確認します。

報告する10項目を三つの区分で整理する図
報告する10項目を三つの区分で整理する図

電子申請前の確認手順

電子申請を行う前には、対象事業場、10項目、提出先、経過措置の有無を順に確認します。電子申請を原則とする現在の規定と、当分の間の書面報告を認める経過措置を、どちらも省かずに理解することが大切です。

所轄労働基準監督署長への報告を準備する

労働安全衛生規則第52条の21は、電子情報処理組織を使用して所轄労働基準監督署長へ報告することを定めています。2025年1月1日から電子申請が原則義務化され、厚生労働省は対象手続と電子申請の案内を公表しています。[出典:労働安全衛生規則第52条の21、厚生労働省「労働安全衛生関係の一部の手続の電子申請が義務化されます」、確認日:2026年9月6日]

ただし、じん肺法施行規則等の一部を改正する省令(令和6年厚生労働省令第45号)は2024年3月18日に公布され、2025年1月1日に施行されました。同省令附則第2条により、改正前の労働安全衛生規則第52条の21及び様式第6号の3は、当分の間、なお従前の例によることができます。[出典:じん肺法施行規則等の一部を改正する省令附則第1条・第2条、確認日:2026年9月6日]

虚偽や漏れを避ける確認表

厚生労働省労働基準局長通達「じん肺法施行規則等の一部を改正する省令の公布について」(基発0328第15号)第3の1のウは、電子申請を行う環境が整っていない場合を想定し、当分の間は経過措置として書面による報告を行うことができるとしています。したがって、電子申請が原則であることと、紙での報告が当分の間可能であることを、両方確認します。[出典:基発0328第15号第3の1のウ、確認日:2026年9月6日]

報告をしないこと又は虚偽の報告は、労働安全衛生法第100条第1項及び第120条第5号の罰則規定に関係します。直ちに罰金となる説明ではなく、行政指導→勧告→命令という手順を踏まえる形で、記載漏れと虚偽を避ける確認を行います。[出典:労働安全衛生法第100条第1項・第120条第5号、確認日:2026年9月6日]

虚偽や漏れを避けるための報告前の確認表を示す図
虚偽や漏れを避けるための報告前の確認表を示す図
電子申請を原則とし書面報告も経過措置で可能な流れを示す図
電子申請を原則とし書面報告も経過措置で可能な流れを示す図

まとめ

ストレスチェックの労基署報告では、対象となる事業場かを確認し、規則第52条の21の10項目をそろえ、提出方法を確認します。電子申請が原則ですが、書面での報告も当分の間は経過措置として可能です。

制度の施行時期は50人未満のストレスチェック義務化、報告対象の判断はストレスチェックの労基署報告、集団分析の扱いはストレスチェックの集団分析で確認できます。関連テーマは選び方・比較にまとめ、記載の訂正や質問はお問い合わせから連絡できます。

よくある質問

Q. 報告が必要なのはどの事業場ですか?
常時50人以上の労働者を使用する事業者に、検査及び面接指導結果等の報告が求められます。50人未満の事業場は、この結果報告の対象ではありません。[出典:労働安全衛生規則第52条の21、厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」p.6、確認日:2026年9月6日]
Q. 報告書には何項目を記載しますか?
労働保険番号、事業場情報、常時使用する労働者数、検査実施年月、受検者数、実施者の区分、面接指導医の区分、集団分析の実施の有無、産業医情報、報告年月日と事業者の職氏名の10項目です。項目の詳細は労働安全衛生規則第52条の21で確認します。[出典:労働安全衛生規則第52条の21、確認日:2026年9月6日]
Q. 報告は紙で提出できますか?
労働安全衛生規則第52条の21は電子情報処理組織を使用した報告を定め、2025年1月1日から電子申請が原則義務化されています。ただし、じん肺法施行規則等の一部を改正する省令(令和6年厚生労働省令第45号)附則第2条により、改正前の第52条の21及び様式第6号の3は当分の間なお従前の例によることができ、書面での報告も可能です。[出典:労働安全衛生規則第52条の21、じん肺法施行規則等の一部を改正する省令附則第2条、基発0328第15号第3の1のウ、確認日:2026年9月6日]

出典

  1. 1.
    労働安全衛生規則(laws.e-gov.go.jp)
  2. 2.
    労働安全衛生法(laws.e-gov.go.jp)
  3. 3.
  4. 4.
  5. 5.
  6. 6.