ストレスチェックの対象者は誰?パート・アルバイトを含む数え方
著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表
目次
ストレスチェックの対象者は、期間の定めのない労働契約により使用される者、又は契約期間が1年以上の有期契約者・更新により1年以上使用予定の者・1年以上継続使用している者で、通常の労働者の週労働時間の4分の3以上の人です。パートやアルバイトという呼び方だけで対象外と決めるのではなく、契約期間と労働時間の二つを確認します。
一方、労働基準監督署への報告が必要かを判定する50人は、受検対象者の数え方と異なります。この記事では、対象者の二要件、報告要否の人数、事業場単位での整理を、2026年9月5日時点の公式資料に基づいて説明します。
ストレスチェックの対象者を判断する二つの要件
対象者の判断は、雇用形態の名称ではなく、契約期間と週労働時間の両方で行います。厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」は、一般定期健康診断の対象者と同様の考え方を示しています。
| 確認する要件 | 対象とされる考え方 |
|---|---|
| 契約期間 | 無期契約、又は1年以上の有期契約等 |
| 週労働時間 | 同種の通常の労働者の4分の3以上 |
| 二つの要件 | いずれも満たすかを確認 |
契約期間に関する要件
対象となるのは、期間の定めのない労働契約により使用される人です。有期契約でも、契約期間が1年以上である人、更新により1年以上使用される予定の人、又は1年以上引き続き使用されている人は、この要件に含まれます。契約書の名称だけでなく、契約期間と継続見込みを確認します。[出典:厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」p.6、確認日:2026年9月5日]
例えば、短い更新を繰り返す有期契約でも、更新により1年以上使用されることが予定されている場合があります。この場合は、現時点の契約期間だけでなく、公式資料が示す継続使用の基準に照らして確認します。個別の契約判断が必要なときは、所管窓口や専門家に確認してください。
週労働時間が4分の3以上かを確認する
二つ目の要件は、1週間の労働時間数が、その事業場で同種の業務に従事する通常の労働者の4分の3以上であることです。ここで比較するのは、会社全体の平均時間ではなく、同じ事業場で同種の業務に従事する通常の労働者の時間です。契約期間の要件を満たしていても、週労働時間の要件も満たす必要があります。[出典:厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」p.6、確認日:2026年9月5日]
労働安全衛生規則第52条の9は、事業者が常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期に検査を行うことを定めています。対象者の確認は、この定期実施を適切に進めるための準備です。[出典:労働安全衛生規則第52条の9、確認日:2026年9月5日]
2分の1以上4分の3未満の人への実施は望ましいこと
契約期間に関する要件を満たし、週労働時間が通常の労働者のおおむね2分の1以上4分の3未満の人については、ストレスチェックを実施することが望ましいとされています。これは対象者としての実施義務とは区別される位置付けです。対象に含める場合には、社内の実施範囲を整理しておくと説明しやすくなります。[出典:厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」p.6、確認日:2026年9月5日]
2025年5月14日公布の令和7年法律第33号により、50人未満の事業場にも2028年4月1日から実施義務が広がります。対象者の二要件を確認することと、事業場規模による実施義務の変更を混同しないようにします。[出典:労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律(令和7年法律第33号)、確認日:2026年9月5日]

報告の50人と対象者の50人は同じではない
受検対象者を決める基準と、労働基準監督署への報告が必要かを決める基準は異なります。対象者の人数が50人に満たない場合でも、常態として使用している労働者が50人以上なら、報告が必要になることがあります。
常態として使用する労働者の考え方
労基署報告の要否は、ストレスチェックの対象者のように契約期間や週労働時間で判断するのではなく、常態として使用しているかで判断します。厚生労働省のマニュアルは、受検対象者が50人未満でも、常時使用する労働者が50人以上となり、報告が必要になる場合があると示しています。[出典:厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」p.6、確認日:2026年9月5日]
労働安全衛生規則第52条の21は、常時50人以上の労働者を使用する事業者に、検査及び面接指導の結果等の報告を求めます。受検対象者の一覧と、報告要否を判定する人数の一覧を同じものとして扱わないことが必要です。[出典:労働安全衛生規則第52条の21、確認日:2026年9月5日]
短時間勤務者を含める場合の確認表
報告の人数を確認する際には、労働時間が短いアルバイトやパートタイム労働者でも、継続して雇用し常態として使用していれば数に含めます。派遣先で常態として使用している派遣労働者も、報告の要否を確認する人数に含める必要があります。[出典:厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」p.6、確認日:2026年9月5日]
| 確認の目的 | 主な基準 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 受検対象者の判定 | 契約期間と週労働時間 | 2要件を両方満たすか |
| 労基署報告の要否 | 常態として使用する人数 | 短時間勤務者等も含めるか |
同じ「50人」という数字でも、確認する目的が違います。雇用形態別に人数を分けた一覧を作り、どの人数が受検対象者の確認用で、どの人数が報告要否の確認用かを明らかにすると混同を防げます。

事業場単位で実施対象を整理する
ストレスチェック制度の判断では、会社の合計人数だけではなく、事業場を単位に対象者と人数を整理します。複数の所在地がある場合は、どこを一つの事業場として扱うかを先に確認します。
同一場所にあるものを一の事業場と考える
厚生労働省のマニュアルは、工場、事務所、店舗など同一場所にあるものを一の事業場として考えると示しています。同一企業であっても場所的に分散している場合は別個の事業場となります。所在地を起点に対象者と常時使用する労働者を整理することで、規模判断の単位をそろえられます。[出典:厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」p.6、確認日:2026年9月5日]
例えば、事務所と店舗が別の場所にある場合、それぞれの所在地について受検対象者と報告要否の人数を確認します。会社全体の人数だけを合算して、各事業場の結論を決める説明は避けます。

受検は本人の義務ではないことを伝える
ストレスチェックは、一般定期健康診断とは異なり、労働者に受検義務が課されていません。ただし、制度を有効に機能させるため、対象者全員が受検することが望ましいとされています。対象者への案内では、受検の強制ではなく、制度の目的と個人結果の取扱いを分かりやすく伝えます。[出典:厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」p.6、確認日:2026年9月5日]
検査の結果は、本人の同意なしに事業者へ提供できません。実施者や実施事務に従事する人の役割と、個人結果の取扱いを分けることも、対象者へ制度を説明する際の前提になります。[出典:労働安全衛生法第66条の10第2項、労働安全衛生規則第52条の10第2項、確認日:2026年9月5日]

まとめ
対象者は、契約期間と週労働時間の二要件をいずれも満たすかで判断します。報告の50人は常態として使用する労働者の人数で確認するため、対象者数とは別の一覧で整理することが重要です。
義務化の時期は50人未満のストレスチェック義務化、労基署報告の基準はストレスチェックの労基署報告で確認できます。関連テーマは法令・制度解説にまとめ、記載の訂正や質問はお問い合わせから連絡できます。

よくある質問
- Q. パートやアルバイトも対象になりますか?
- 期間の定めのない労働契約により使用される人、又は契約期間が1年以上の有期契約者・更新により1年以上使用予定の人・1年以上継続使用している人で、通常の労働者の週労働時間の4分の3以上であれば、契約の名称にかかわらず対象です。二つの要件をいずれも満たすかを確認します。[出典:厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」p.6、確認日:2026年9月5日]
- Q. 対象者が50人未満なら労基署報告は不要ですか?
- 報告の要否は、対象者の契約期間や週労働時間ではなく、常態として使用している労働者が50人以上かで判断します。対象者が50人未満でも、報告が必要になる場合があります。[出典:厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」p.6、労働安全衛生規則第52条の21、確認日:2026年9月5日]
- Q. 週労働時間が4分の3未満の人はどう扱いますか?
- 契約期間に関する要件を満たし、通常の労働者の週労働時間のおおむね2分の1以上で4分の3未満の人には、ストレスチェックを実施することが望ましいとされています。実施義務の対象として扱うものではありません。[出典:厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」p.6、確認日:2026年9月5日]
出典
- 1.小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル(mhlw.go.jp)
- 2.労働安全衛生規則(laws.e-gov.go.jp)
- 3.労働安全衛生法(laws.e-gov.go.jp)
- 4.労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律(令和7年法律第33号)(mhlw.go.jp)